

檜物町スクエアの吹き抜けを囲むように、店舗を配置し、2・3階の店舗前通路には持ち出しステージを設けました。来訪者の溜まり空間と店舗の拡張空間が重なり合うことで、多様な使われ方が生まれ、立体的な賑わいを演出します。1階から見上げた際に、ステージに集う人々の姿が視線を引きつけ、自然と2・3階へと誘います。
このステージは、山王祭や各種イベント時には立体的なギャラリースペースとして機能し、吹き抜け全体を巻き込んだ一体感のある賑わいを創出します。
高さ約8mの高木や立体的な緑化、天井の木ルーバーやステージ軒天の木パネルなど、どこにいても自然素材が視界に入る空間としました。さらに、多様な形の机や椅子を配置し、来街者が思い思いの時間を過ごせる、心地よい滞留空間を生み出しています。
1階にて檜物町のお神輿を常設展示します。檜物町の歴史・文化に触れてもらう機会を創出します。



ゆるやかな弧を描きながら開いていくスリットのデザインは、多様な人々を迎え入れ、発展を重ねてきた八重洲の街が持つおもてなしの姿勢を象徴するとともに、物事が次第に広がり、発展・繁盛・成長し、未来が開いていくという願いを表現しています。
また、南北面と東西面で外装デザインに変化を持たせ、東西面ではルーバーの形状や傾きを巧みに調整することで、光のグラデーションを創出しています。これにより、視点や立ち位置によって外装の表情が変化し、八重洲の街が有する多様性を表現しています。
東西面には、13種類・計2021本のルーバーを繊細に配置。一本一本の角度にわずかな差を与えることで、光を受け止める面と陰となる面が連続的に変化し、ファサード全体が、まるで緩やかな弧を描きながら呼吸しているかのような表情を生み出しています。その配置パターンはコンピューターによって緻密に解析され、時間や太陽高度の変化に応じた光の届き方をシミュレーション。
直線的な要素の集合でありながら、見る角度や時間帯によってやわらかく揺らぎ、多視点からの美しさと、光がそっと包み込むような陰影のグラデーションを実現しています。
しだれ桜等の季節感が出る樹木や植栽の立体配置により、さくら通りと呼応した四季
を感じるランドマークを演出しています。

八重洲エリアは、古くから規模や業種の異なる店舗が混在し、各々の店舗が路面に顔出しすることで「多様性」、「界隈性」が育まれています。
本建物低層部の外観デザインは、外壁の凹凸や隙間を設けて積み上げる構成とすることで、元々小規模な建物や路面店が連なっていた界隈性の高い本エリアの特徴を立体的に表現しました。外向き店舗については意匠変更可能な外壁パネル部を用意することで、それぞれの店舗の個性や活気を表出させることが可能となっています。
また、街との一体感を意識し、多くの階段やエスカレーターを用意しました。2階であっても路面のように街につながる八重洲らしい街並みづくりを企図しています。

上部で重なり合い連なる傘天井が、スケールの異なる居場所を生み出し、人と人との関係性を育みます。通過する、立ち止まる、滞留する、作業する、打合せを行うなど、多様な使われ方に応じて、空間の質や広さが柔軟に変化する構成としました。
象徴的な高木や表情のある緑に加え、多様な形の机や椅子を配置することで、オフィスワーカーや来訪者がそれぞれの気分や目的に応じて過ごせる、心地よい滞留空間を創出しています。

樹木世界
職人
八重洲は、日本中、さらには世界中の多様な「ヒト」「モノ」「コト」が集まり、つながり、そこから新たな価値を生み出し、発信してきた街です。
八重洲一丁目東地区一帯は、江戸時代に「檜物町」と呼ばれ、檜を用いた木工品を製作する檜物大工や木地師などが集積した職人の町でした。彼らの手仕事は、江戸城や武家屋敷、町人の暮らしを支え、この地は都市の日常を下支えする「木の文化と技の拠点」として機能してきました。
こうした歴史的背景を踏まえ、世界各地の樹木と職人技を組み合わせることで、この街に受け継がれてきた精神を現代的に表現しました。日本にとどまらず、世界中から人や物が集い、つながり、さらに発展していく八重洲の姿を象徴するものとしています。
歴史継承
未来
過去から現在、未来の
八重洲の歴史や賑わいを伝える場。
八重洲エリア一帯は、かつて檜物町、上槙町、数寄屋町、呉服町など、さまざまな職人や商いが集積し、それぞれの技と文化を育んできた街でした。そこで生まれた技術や意匠は、時代とともに形を変えながらも受け継がれており、当時の工法が現在も用いられるものがある一方、金箔を壁紙として再構築するなど、現代的な解釈によって新たな価値へと昇華されています。
腕利職人たちの粋(活き)な美意識やエネルギーが、過去から現在、そして未来へと連なっていくことを空間のテーマに据え、こうした素材や表現を壁面に取り込むことで、八重洲が積み重ねてきた時間の層を表現しました。さらに天井には、ランダムに配置した鏡面を用い、壁面の多様な素材や模様を映し込んでいます。視点や立ち位置によって風景が変化し、万華鏡のように異なる表情を見せることで、空間に奥行きと広がりをもたらします。
歴史の記憶を映し返しながら、見るたびに新たな像を立ち上げるこの構成は、過去を継承しつつ更新を続けてきた八重洲の歩み、そしてこれから広がっていく未来の姿そのものを象徴しています。


TOFROMの中心動線に位置する交差点に、世界とつながり、価値が循環する都市の象徴としての「地球儀」を設置しました。この地球儀は、世界の大陸プレートごとに特徴的な植物を、アーティフィシャルグリーンで表現したものです。
「世界各地の樹木と職人技を組み合わせた貫通通路」を抜けた先、檜物町スクエアの入口に配置することで、自然・文化・人が交差し、次の価値へとつながっていくTOFROM YAESUのあり方を視覚的に表現しています。


八重洲通りはかつて紅葉川という川で、外堀通りには江戸城外堀があり、当該敷地は豊かな水に囲まれていました。いくつもの面が集まってキラキラと輝くクリスタルのような水面の煌めきに、多様な個性が集積して輝く八重洲の姿を重ね合わせ、中高層部ではガラスを折り曲げて多面体を作ったデザインとなっています。

低層部では、立体的な壁面緑化と木・石などの自然素材を中心に様々な要素を組み合わせることで、多様性を表現するとともに、まちの人々を出迎える魅力的な空間を創出します。

1F エレベーターホールのテーマは「滝」。
エレベーターの縦ラインを活かし、石の模様を滝の水筋に見立てた印象的な導入空間を演出しています。
高い天井高さの吹き抜け空間を活かし、40列・4,400個の球をワイヤーで吊って演出しています。エントランスのアーチから連続するように、吊り材でもアーチ形状を表現することで、内部と外部の親和性と歩いている時の見え方の変化を創出。